第18章 〜相澤消太〜プロローグ
それ以来、俺はちょくちょくと顔を出した
顔を出すと必ずと言っていいほど華に抱きつかれる
「こりゃまた、随分と気に入られたねぇ」
などと笑いながら俺たちを見ながらコーヒーに口をつける
「はぁ・・・そうなんですかね?」
正直 子供の扱いは得意な方ではない というのも俺は目付きが悪いせいで大抵の子供は泣く
だからこそ今の現状に戸惑いがある
慕ってくれるのは嬉しい、だけど、どう返せばいいのか正直戸惑う
その様子を楽しそうに華の父親、秋彦さんは目を細めて見ている
「あら、今の年の子は素直に答えてあげれば喜ぶわよ」
クスクスと笑ってコーヒーを運んで来るのは華の母親、絵里だった
横からぎゅっと抱きついてくる華に絵里は「華、そんなに抱きついてたら消太くん潰れるわよ」
と冗談混じりに言うと華は慌てて離れようとする
「いい、大丈夫だから」
そう言って頭に手を乗せて言うと、嬉しそうな顔をして抱きついてきた
ちょ・・・ちょっと可愛いじゃないか
そう思ってしまった自分にむず痒さを感じる
「華、そんなに消太が気に入ったなら将来、結婚すればいいじゃないか」
「なっ・・・!先輩何言ってるんですか?年の差考えて下さいよ」
「大丈夫大丈夫、こんな冗談話なんて大人になったら忘れてるって」
ケラケラと笑う姿に頭を抱える
確かにそうなのかもしれないが、万が一覚えていたらどうする?いや、まだ幼い少女だ きっと大きくなるにつれて忘れるだろう
「えっ!いいの?!消太くん、華と結婚してくれるの?」
キラキラとした目を向けながら聞いてくる彼女の頭をワシワシと撫でながら
「覚えてたらな・・・・考えてやらないでもない」
そう答えると嬉しそうに笑った