第18章 〜相澤消太〜プロローグ
俺と華の父親は高校時代に先輩後輩の関係でマイク同様色々と良くしてくれた
高校を卒業してもその関係は続いていて、昔はよく家にお邪魔したものだ
初めて先輩の家に立ち寄り、なりたてのヒーロー報告に行った帰りに華とは出会った
屋根づたいに飛びながら帰ってるとふと目先の公園で何かが光った
普段だったら少し様子を見て行動するのだが、この時は何故だか早く行かないとという気持ちに狩られた
飛びながら公園の上空から見下ろすと、小さな少女が絶対知り合いでなかろう男に引きずられているではないか
引きずられてる少女は何が起こったか分からない様で、パクパクと口をさせている
早く助けようと急降下して引きずっている男に蹴りを入れて間に入った
相手は衝撃で飛んで茂みに突っ込んで伸びたが
ふとクルリと彼女の方へ体を向けるとフワッと何かが鼻を掠める香りがした
ジッと見つめると大きな瞳からポロポロと涙を零していた
もしかして、個性が出たばかりか、そして彼女から出る香りに少しクラッとしながらポンっと頭に手を置いた
これ以上、自分もこの場にいるといけないと自分の腕で鼻を抑えながら
「お前の個性は人を惑わせる、気をつけるんだな」
そう告げて急いでその場から離れる
去り際に警察にへと連絡を入れる
これでもう安全だ
※
後日、少し用事があって先輩の家に行くと先輩の足の横からちょこっと出てくる少女に目がいった
この子はこの間の少女ではないか、娘だったのか
「ほら、恥ずかしがらずにご挨拶しなさい、ヒーローだよ」
そう言って促される様に俺の目の前に来た彼女は確かに俺が助けた少女だった
「・・・・ヒーロー、私、華って言うの」
そう言って笑った
それが彼女、華との出会い