第18章 〜相澤消太〜プロローグ
彼女を入学式で見つけた時には思わず2度見をしてしまった
たまたま、ほんの気まぐれで入学式会場を覗いた
毎年ヒーロー科は個性テストなどをするので入学式とかガイダンスとか合理性にかけることはしない
だから当然俺もそんなのには参加しないのだが何故だかふと中の様子を覗いてしまった
普段だったらしないであろうキョロキョロと生徒を見まわす ふと目線に捉えたのは飽きるほどに見た後ろ姿
いや、久しぶりにじっと見たような気がする。キャラメル色のフワフワとした髪が腰まで伸びているのをあんなになるまで顔を合わせてなかったのかと感傷に浸る
・・・というかアイツっ!雄英に来るなんて聞いていない!っていうかこの間会っただろう!一瞬だったが、何故その時に言わない
それとも何か言えない理由でもあるのか?
ふと、一瞬だけ彼女と目が合ったが、嫌そうな表情をして目を逸らした。
大体、ヒーロー志望でもないのに何で雄英に来た?クラスは普通科だが女子校とか近くにあんだろ
なんでわざわざ雄英に・・・・
ぐわっと見開いた目に映るのは、少しバツが悪そうに俯いた顔
こいつを見て確信した。
あぁ、こいつ、もしかして好きな男でも追いかけてきたんじゃないかと思った
そういえば昔からベッタリな幼馴染がいたな
親しい友達も作らずに付かず離れずの関係の多い友人の中でソイツにだけは自分でチョロチョロと付いて回っていた記憶がある
華はそんなにアイツがいいのか?