第15章 アイスクリームの様に甘く〜緑谷出久〜体育祭後〜
「あ…あの、美味しいよ?華ちゃん」
にこっと笑いながら手のひらに垂れたアイスを舐めとれば持っていたアイスが棒ごとベシャッと落ちた
「あ〜あ、勿体ない美味しかったのに…華ちゃん?」
しゃがんで落ちたアイスの棒を拾いながら、何の反応もない華を見ると真っ赤になって口をパクパクさせて何か言いたそうな表情をしていた
「どうしたの?」
「どうしたのって!急に出久が舐めるからっっ!」
「だって勿体ないじゃないか、それにどうぞって言ったのは華ちゃんの方だよ」
「それはアイスをどうぞって意味で別に舐めろって言った訳じゃないもんっっ!」
「だってあのままじゃベトベトになるし、華ちゃんもアイスも美味しかったよ?」
「ひっ・・・一言余計っ!アイスだけの感想にしてっ!」