第15章 アイスクリームの様に甘く〜緑谷出久〜体育祭後〜
友人と観覧席へと移動すればいまだに赤い耳を押さえる
「あれ、華ちゃん、耳痒いの?」
一緒に応援をする友人の夢ちゃんにそう指摘されて、慌てて耳から手を離す
「う・・・ううん!大丈夫大丈夫!気にしないで!」
ブンブンと首を振る私の顔はきっと赤いだろう
(良かった、制服の下に今日はハイネック着てるから首もバレない)
今日は人も熱気も凄いであろうと予想して、少し暑いけど制服の中に黒のハイネックを着てきている
これなら多少驚いても、首の痣が出てもあまり気が付かれない
よくよく考えれば常に着てればいいんだよなぁなどと考えてると開会式が始まった
1-Aの入場の時には一際声援が大きかった、みんな人気者だなぁと思いながら言われた通りに出久を見つめていた
そういえば、まともに出久のヒーロー候補生としての姿を見るのは初めてだ。
少し緊張気味に入場する出久は昔の幼馴染の出久そのものだった
変わったかなと思ったのは普段はジャージ姿なんて見ないから、思ったより鍛えられている体に驚いた。
きっと一生懸命努力したんだろうなぁと見つめていれば最初の競技、障害物競争が始まった。