第10章 慣れない環境〜共通〜
その笑った顔に ほぅっと周りが釣られているとドアを開けて入ってきた人物が声をかける
「如月?」
「と・・・轟くん、こんにちは」
「あぁ。」
あれ以来何となく顔を合わせづらくて故意に避けていた
2度も彼の前から逃げたのだから空気が重いっっ!
「あれ?華ちゃん来てたの?電話してくれたら良かったのに」
空気を破ってくれたのは待っていた人物だった
「う・・・ううん、先生とのお話し邪魔したくなかったから」
明らかにほっとした様な顔をした華はお弁当を掲げて
「一緒に食べよう?」
と笑った
「えっわざわざ作ってきてくれたの?わぁ、嬉しいな・・・ってちょっと多くない?」
視界に映ったお弁当は2人分には多い量だ
「あぁ、爆豪くんも一緒にと思って」
「かっちゃん?う〜ん、一緒にお弁当食べてくれるかなぁ?」
うう〜んと悩む出久に華は 私と食べるのは嫌かなと焦った
きっとかっちゃんは僕と食べるのは嫌だろうし、でもかっちゃんと華ちゃんが2人で食べるのは僕が嫌だし・・・などと1人ブツブツ言ってると
「何群がってんだっ!蟻かっ!!」
そう怒鳴りながら入ってきたのは爆豪で、群の中心にいる華を見ると怪訝そうな顔になった
「おい、何で華がクソデクの席に座ってんだ?」
ズカズカと華の前まで来るとお前は俺の席にでも座ってろやっ!という声を意味わかんないっ!と一喝しながらお弁当を差し出す
「何だよ、これ」
「お弁当」
「見りゃわかるっ馬鹿にしてんのかっ!」
「一緒に食べようと思って作ってきたのっ、その、迷惑かけたから・・・・」
ふいっと照れた様に顔を逸らす様子に クソ可愛いと思いながらも、敢えてぶっきらぼうに答える
「お・・・おぅ、いい心掛けじゃねぇか。おいこの弁当多くねぇか?」
「え?だって出久くんと一緒だからこれくらいかなぁって」
「何でこの俺が仲良くクソデクと弁当食わないといけねーんだよっ!!」
「・・・・・じゃあ、いらない?」
上目遣いでしゅんとされたら折れるしかなくて
「く・・・・くそっ!食うわぁっっ!!」
半ばやけくそのように強引にお弁当を剥ぎ取り、お弁当を開け始めた