第9章 不可抗力〜共通〜
帰ろうと校門の前を通っていた彼と目が合ってしまって思わず呼んでしまった
ほらーすごく気まずい顔をされているじゃない、そりゃあ疑問を持つ瞬間だったのかもしれないよね
自分で名前を呼んでおいてグリっと目をそらした
「あの・・・昼間は済まねぇ、なんか俺、逃げられる様なことをしたか?」
言いにくそうに口を開いた彼は申し訳なさそうな顔をした
「それはお前が半分野郎だからだぁぁ!!」
「やめてっ!爆豪くん!!ややこしくなるからっっ!と・・・轟くんは、こちらこそせっかく仲良くしようとしてくれたのにごめんねって!ちょっ・・・ちょっと急用が出来て慌ててたのっ!」
爆豪くんの言葉を遮る様に慌てて伝える
うぅっ、苦しいかな
「・・・そうか。」
ピュアだっっ!稀に見るピュアだっ!
「でもさ、お前からのなんかモヤがかかった様な光なんだったんだ?」
ビクっと体が跳ねた
私だけじゃなく
3人同時に
「華ちゃん・・・・・」
「・・・・お・・・お前ぇ〜っ!使ったのか!?使ったのか!?どうなんだ?あ”あ“⁉︎」
「ち・・・・ちがっ!不可抗力でっっ!」
ガクガクと爆豪くんに揺さぶられながら必死で言い訳をするけど聞いちゃくれない
「うるせぇっ!何俺たちだけじゃ飽き足らず半分野郎に色目使ってんだ?あ”あ“っ!?」
「かっ・・・・!かっちゃん!華ちゃん!死んじゃうっ!死んじゃうからぁっ!」
慌てて間に入る緑谷に慌てる様子の彼女
先ほどの出来事と今の会話の流れでいけば確信がある
「あれ、個性か?もしかして・・・・」
ボソリと呟くと華はみるみると真っ赤になって後退って「ご・・・・・ごめんなさぁ〜い!!」と言って走り去ってしまった
後に残った轟は華が走り去った後をポカンと見つめていた
「あぁ〜・・・華ちゃん、あんまり自分の個性好きじゃないんだよ」
「 ?どういう事だ?」
呟いた緑谷に何故だと首を傾げる