第8章 気のゆるみ〜轟焦凍〜プロローグ編
「ん?お前、首に何か付いてるぞ?」
「へぁ?」
キョトンとして手を添えてきた所は首すじ
しまった!と思った時には遅かった
私の首すじには赤い花が浮き出ていて
触った途端、光に包まれた
光に包まれてよろっと轟くんがバランスを崩した瞬間に「ごめんっ!」と言いながらポケットに入れていた煙玉を投げつけた
「!!っごほっっ・・・」
煙玉でむせている間に全速力で校舎に逃げた
理由もなく逃げるのはせっかく知り合いになった人に申し訳ない!
だけど逃げなきゃお互いに困る!
せっかく仲良くなれそうだったのにと華は首すじをさすりながらため息をついてトボトボと校舎へと帰っていった
残された轟はというと・・・・
ゴホゴホとむせた後に前を見ると華は何処にもいなくて
「な・・・・何だったんだ」
ポカンとした顔で残されたお弁当の空と彼女が走って行った方向を見つめてとポツリと呟いた
置いていかれた轟はあまりよく状況を理解していないようで
ただただ走り去った後を眺めていた