第8章 気のゆるみ〜轟焦凍〜プロローグ編
今日は天気がいいから外の木の木陰でお弁当を食べようか
軽い足取りで華は中庭へと向かった
出久に言われて以来、華は少しづつではあるけどクラスメイトとは交流をしている
クラスメイトとたわいない話をするのは楽しいけどやっぱりまだ慣れない
相変わらず放課後は出久と帰る日々
一緒にお昼を食べる友人も出来た
だけど、一人で食べたい時もあるわけで、こんな天気のいい日は外で食べたくもなる
中庭に出て、良さげな木陰に腰を下ろすと華は毎朝自分で作るお弁当を広げた
お昼を食べ終えて水筒に入れてきたお茶を飲むと、優しい風が吹き抜けて落ち着いた声が漏れる
「ふぃ〜・・・平和な風だなぁ」
と、ポツリと呟いた瞬間、ガササッという音と共に男の子が飛び出してきた
「うひゃぁっっ!」
「あっ、悪ぃ 人がいたのか」
顔を出したのは髪が紅白の男の子だった
「あ、確か轟くん」
「俺のこと知ってんのか?」
「うん、ヒーロー科の人でしょう?出久くんと一緒の」
確かクラスの女の子が騒いでいた気がする
イケメンきたーっ!!って
確かに実際間近で見ると整った顔立ちをしているなぁと思った
「そういうアンタはよく緑谷と帰ってる奴だよな?確か・・・・」
「如月華だよ、轟くん、取り敢えず初めまして?」
「そうだな、何度か顔は見てるけど、よろしく如月」
そう言って差し出された手を私は何気なく握り返した。
そう、ここまでは別に問題なかった
轟くんが目ざとい人じゃなければ・・・・