第38章 真相
「あっ、こんにちは柳さん」
ぺこりと緑谷がお辞儀すれば 今日は真っ白な道着姿の清十郎がにこにこと立っていた
「うん、こんにちは あれ?予想以上に大所帯」
チラリと轟達に目をやると冗談混じりに笑った
「あの、ごめんなさい 轟くんがが聞きたい事があるって言ったから一緒にって誘ったの」
申し訳無さそうに言う華に清十郎は全く気にしてない様子で「取り敢えずどうぞ」と中へと促した
通された道場は綺麗に手入れされた華にとっては懐かしい匂いのする場所だった
「あれ?今日は練習ないの?」
道場には誰もいなくてしーんと静まり返っていた
「あぁ、今日はたまたま休みだったんだよ」
変わらない笑顔でそう清十郎は告げるとちょっと待っててと言って奥へと姿を消した
「ここで華ちゃんは強くなったんだね」
「やだ出久、私なんて強くないよ」
くるりと道場を見回す緑谷の仕草に否定するように華が告げた
「そんな事ないと思うぞ 華は充分強いと思う」
「オメーは謙遜しすぎんだよ」
次々と言われる言葉にさすがの華も「へへっ…そうかな」と素直に照れた
「みんな華ちゃんの事良く見てるんだね」
そう嬉しそうに言いながら戻ってきた清十郎の後ろには見慣れない人物がいた