第37章 違和感
「あれ?清十郎さん?」
「やぁ、華ちゃん お邪魔してます」
放課後 真っ直ぐ寮へと帰ってきて出迎えたのはソファで皆と楽しそうに談笑している清十郎の姿だった
「柳さん、今日で最後でしたから 皆さんでお茶でもと思ってお誘いしたんですの」
同じ様に座っていた八百万の言葉に「そーそー」と言う様に周りが同意した
「そっか…今日で最後だったんだね」
「うん、元々短期での契約だったし そろそろ道場に戻らないとね」
「寂しくなるなぁ、あんまり話せなかったし」
そう言って残念そうな顔をする華に変わらず笑みを清十郎は向けた
「そうだ、それなら今度の日曜に久し振りにおいでよ その時に沢山話そう」
「いいの?わぁ嬉しいな」
「勿論 華ちゃんに会わせたい人もいるし」
そう言いながら立ち上がると手に嵌めていた腕時計を見た
「じゃあ そろそろ僕はお暇するよ」
「あっ、あの柳さんっ!」
立ち上がった清十郎に出久が勢いよく声を上げた
「僕っ、その 聞きたい事が…」
聞きたい事は沢山ある、だけど上手く言葉がまとまらないような様子の出久に 清十郎は思いついたように ぽんっと手を打った