第37章 違和感
「そうだっ!緑谷くんも日曜日に遊びにおいでよ」
「へっ?」
突然の提案に出久の口からは間抜けな声が出た
「うんうん、それなら時間たっぷりに話を聞いてあげられるから」
「いやっ、あの」
「じゃあ日曜に華ちゃんと来るのを楽しみにしてるから」
1人トントンと決めてしまえば「じゃあ僕は大事な用があるから」と言い残して大事な用と言う居酒屋へといそいそと去って行くのだった
「最後まで凄くアッサリやったね」
清十郎がいそいそと出て行った後を見つめながらポツリと麗日が呟くと
「俺はてっきり如月と離れたくないって抱きつくんじゃねーかと思ったのに」
ぎゅーっと自身の手で自分の体を抱きつくような仕草をしながら冗談混じりに言う上鳴に華はあり得ないというような仕草をした
「まさか、清十郎さんはそんな事する訳ないじゃない」
と、さもあり得ないというように否定した
「逆に気付かねーのがスゲーわ」
「よっぽど知られたくないのね」
華の姿にヒソヒソ声で話すのは切島と蛙吹
自分達が授業で見ている清十郎の姿と華の前でだけ見せる態度の違いのギャップにどうしても慣れなかった
というか あんだけ違うギャップなのだから気が付いてもいいような気がするが華は一向に気が付いた様子は一切ない
「ん?何か言った?梅雨ちゃん」
2人の会話に振り向いて聞き返す華の姿に蛙吹達はブンブンと首を振った
「いいえ、何でもないわ それより、日曜に会えるの楽しみね」
そう蛙吹が返すと華は嬉しそうに笑った
「うん、とても楽しみ」