• テキストサイズ

僕の花〜ヒロアカ〜

第37章 違和感



素直に飲むと言う焦凍に華は今度は自分から食器棚でカップを取って同じようにホットミルクを注いだ

「はい どうぞ」

「ありがとう…これ 美味いな」

手渡されたカップに口を付けてポツリと呟く焦凍に先程と同じ様に得意げな顔を向けながら笑った

「でしょう?これ飲んだらぐっすりだよ」

と言いながら飲む華と同じ様に出久もまたカップに口を付けた

「そういやぁ、華に聞きたいことがあるんだが」

ふと 思い出した様に華を見つめる焦凍に
「なになに?」ときょとんとした顔でホットミルクを飲む手をやめて華が首を傾げたなら

「柳さんって華の個性の事 知ってんのか?」

「ブフォッ…!」

突然の焦凍から爆弾発言されて思わず出久の方が飲んでいたミルクに咽てしまった

「と…轟くん!?」

その疑問はあの柳さんとのやり取りがあってからずっと出久も聞きたかった事だった

何なら先程聞きかけた事もまったく同じ事だった

でも何故あの時いなかった彼がそんな事を聞いたのか分からなかった

「個性?ふふっまさか そんな訳ないじゃない」

フルフルと首を振って否定する姿は嘘を付いている様な雰囲気ではなかった

「何でそんな事を聞くの?」

「いや、小せえ頃からの知り合いだったなら緑谷達みたいに知ってんのかなぁって気になっただけだ」

「うーん、確かに小さい頃から知ってるけどそんな話をしたのも個性を出した事も記憶にないからなぁ」

考え込む様な仕草をしながらもキッパリと言い切る華に2人はこれ以上何も聞かなかった

「あっ…じゃあ僕はそろそろ行くね ご馳走さま華ちゃん」

「なら俺も部屋に戻る」

出久の言葉に同じ様に動き出した2人に向けて

「あっ、カップは流しに置いておいて?一緒に片付けちゃうから お休みなさい2人とも」

まだカップに残っているミルクを飲みながらそう告げると華は2人に向かってひらひらと手を振った

「ありがとう」と流しにカップを置く出久に続いて焦凍も「悪い」と言いながらカップを置いてキッチンを後にした

「「…………。」」

1階のフロアへと降りてくるエレベーターをただ無言で待っていた2人だが扉が開いて乗り込み扉が閉まった瞬間に同時に声が被った

「「あのっ…!」」

/ 220ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp