第34章 意外な才能
「もうっ勝己はそのすぐに怒る性格直したら!?」
「あ"?俺が代わりに撫でてやったんだよ!有り難がれ!」
「それは撫でてるんじゃなくて掴んでるんでしょう!」
切島に抑えられながらなおも峰田の顔を鷲掴もうとしている手をベシっと叩きながら華はスっと自分の体で峰田を隠した
その行動に爆豪の機嫌は更に悪くなったように見えた
「何庇ってんだよコラっ!また飛び掛かられたいんか!?」
「友達にそんな態度は失礼でしょう?たまたま偶然に峰田くんが転んだところに私がいたからそう見えたかのかもしれないじゃない」
爆豪に返した華の言葉にクラスメイト全員思ったことは1つだった
((((絶対違う!!))))
「いい加減その頭お花畑な考え方変えるんだなっ!」
爆豪は1度華にそう吠えるとくるっと向きを変えて再び2階への階段を上り始めた
「おいっ!待てよ爆豪っ!」
言いながら慌てて切島が後を追った
「なんなの一体っ!」
姿が見えなくなった爆豪に対して華は眉根を寄せて呟いた
「華ちゃん、かっちゃんは言い方アレだけど多分心配してるんだよ」
「あれが!?どこがっ!?」
ビッと爆豪がいなくなった後を指差しながら出久に詰め寄る
「でも爆豪さんの言ってる事は正しいんですのよ」
まぁまぁと割って入る八百万に華は「え?」と言うように首を傾げた
「そうだよっ!他の人は安全だけど峰田くんにだけは気を許しちゃいかんよ」
ぎゅっと両手を握り締めて力説してくる麗日に華は「そんなに?」と内心思いながらも周りが頷いているのでつられて頷いた
「ひでーよ皆、オイラはただ純粋にコケただけなのに…」
そう言いながら起き上がる峰田の目は絶対に信用出来ない目だ
誰もがそう思った瞬間に寮の入口から声が割って入った
「…ほぅ、意外な才能だな」