第34章 意外な才能
「なぁ、爆豪って如月さんの事になると容赦ないよな」
ボソッと瀬呂は隣にいた緑谷に耳打ちした
「ん〜きっと かっちゃんにとって華ちゃんは特別だからかな」
「特別、まぁ 腐っても幼馴染だしなぁ」
瀬呂の言葉に緑谷は ははっと笑いながら爆豪を見た
きっと彼には幼馴染ではない別の感情もあるのだと思っている
それは誰よりも長く見てきたから分かる事でゆらがない事実
自分も同じように見てきたからこそ分かる爆豪の態度
昔からこっそり華ちゃんを守ってきていたのも知っている 無意識だろう、幼い頃は時々華ちゃんを見つめている場面がある
そして今まで華ちゃんに好意を向けて寄ってきた人達に片っ端から威嚇して追い払ってる
さすがに華ちゃんでも気付くのではないかと思う行いに全く気が付いていない様子の華ちゃん なんなら華ちゃんに向けられる周りの好意も気が付かないくらいに鈍い
これは 天然といっていいのかどうか考えものだ
だから僕は新しい高校生活を機に華ちゃんに振り向いてもらおうと決意したのにかっちゃんもきっと同じ考えなのだと思った
けどこればっかりはかっちゃんにでも負けたくない
君と同じように ううん、それ以上に彼女の事を想ってるんだ