第34章 意外な才能
これで手加減をしたというのなら全開ではどれだけなんだろうとゾッとした
「華ちゃんっこれだけ強かったらヒーロー科おいでよ〜」
ピョンピョンと跳ねながら手を叩く芦戸に華は困惑したような表情をした
「えっ…あの、それは…」
確かに華は体術は強い だけどそれは自分の身を守るための物であって決してヒーローを目指す為に体得した訳ではない
それにヒーローになりたくてヒーロー科に入った人達に失礼だと思った
自分の個性なんか認めたくないそんな自分では見てる物が違う気がした
「こらこら、芦戸くんっ如月さんも自分の考えがあっての普通科のなのだから無理強いはよさないかっ!」
答えに困っていた華を気遣ってかは分からないが飯田がビシっとした手の動きを交えながら割って入ってくれた
「その気持ちだけ貰っとくね」
ほっと安堵したように華は芦戸に笑みを向けた
「…それにしても峰田くん中々起きないね」
さすがに一向に起きない峰田を心配して緑谷が声を出すと近くにいた上鳴がツンツンと峰田を突いた
「おーい、いい加減起きろよー」
突きながらそう上鳴が声を掛けると峰田の眉がピクリと動いた
「おっ?起きたか?」
「うぅっ…如月が頭を撫でてくれないと起きられ…ぎゃっ!「ならずっと寝とけやクソがっ!何なら俺が寝かせてやろーかっ!」
峰田が目を瞑ったままムフフと言うように出した言葉は爆豪がガシっと顔面を掴んだから途中で途切れた
「うわぁっ!…爆豪ストップストップ!」
爆豪の行動に切島が慌てて止めに入るのを自業自得だという風にクラスメイトは眺めていた