第34章 意外な才能
「アイツは自分がクソ強い事自覚してねーんだよ」
ふと聞こえてきた声と共に2階に続く階段から降りてきた爆豪はフンっと鼻を鳴らした
「おいっ爆豪 急にいなくなるから心配したぞ」
悪びれなく降りてくる爆豪に切島は焦ったように声を掛けた
「部屋の片付けしとったわ」
「先にしちまうなんてズリーよ」
「煩え!いつしようが俺の勝手だろが!」
怒りながら降りてくる爆豪に切島は駆け寄った
「アイツ、あんなナリしてるけどクソ強ぇぞ」
「あっ、そっか爆豪も幼馴染か」
ぽんっと思い出したように手を打つ切島に爆豪は怒鳴りちらした
「あ"ぁ?何忘れてんだよっ」
「だってよぉ、俺たちが良く見てるのは緑谷と仲良く話す如月さんだから」
遠くで呟いた上鳴の声に「煩ぇっ!コロすぞっ!」と瞬時に吠えた
「爆豪に強いって言われるくらいだから相当強いんだろうけど何でヒーロー科じゃないんだ?」
後ろから声がする方をクラスメイト数人が見遣ると同じ様に2階から降りてくる轟の姿があった
「あっ、轟くん どこに行ってたの?」
後から出てきた轟に緑谷が声を掛けるとゆっくりと降りてきながらデジャヴのような事を言った
「…部屋の片付け」
「何真似してんだよっ半分野郎っ!!」
「偶然だろ?」
「お前ら自由かっ!」
思わず突っ込んでしまうような会話をしながら上鳴は床で伸びている峰田をズルズルと引きずってソファへと寝かせた
「あ…あの大丈夫かな?」
「大丈夫よ華ちゃん 峰田ちゃんにはいい薬だわ」
いまだに目を覚まさない峰田を見て焦ったようにオロオロしだす華に蛙吹が優しく声を掛けた
「手加減したんだけどまだ強かったかな?」
華の言葉に周りのクラスメイトは同じことを思った
「「「「これでっ!?」」」」