第34章 意外な才能
ーー何故私は目の前にあるドアの前に立っているんだろう
それは数日前に遡る
「えっ!寮生活!?」
それは学生ならではの響きであった
雄英の更なる防犯強化と生徒の安全を第1に考えて新しく出来る各クラスでの寮が作られる
その入寮の案内とその詳しい説明の為の家庭訪問があるというプリントが各自配られた
華は寮生活というものに少し憧れがあった
だから同じクラスメイトとの共同生活はとても楽しみであった
…この時点では
「どーゆー事ですかっ!先生っ!」
思わず大きな声を出してしまった私を隣に座っていた母親が宥めていた
「お…落ち着いて華ちゃんっ!取り敢えず先生のお話聞いてみましょう」
家庭訪問で家に訪れていた担任の先生に食って掛かりそうな勢いの華に目の前の担任の先生は複雑そうな顔をした
何故華がこんなに抗議しているのかというと
寮生活をする上で寮の中の人数を均等にする為に普通科から1人生徒を寮生活だけ移動させるというもの
元々普通科は生徒が多い 反対にヒーロー科は少ない
必然的に普通科の生徒がヒーロー科の寮に1人移動する
そこで白羽の矢が立ったのが華だった
「その…如月には突然の事で驚く事かもしれないが今日職員会議で打診されて…」
「だからって何で私なんですか?ほかの人のほうがいいですって!」
消え入りそうな声で言う先生にそう助言すると
「あの…それは如月がヒーロー科に幼馴染がいる事とヒーロー科の生徒と顔見知りなんだろ?急にポンっと全く面識がないヤツよりはある程度顔見知りの方が馴染みやすいだろうって…相澤先生が…」
その瞬間、華はハッとした まさかあの昼休みの突然の相澤先生の質問の意味はこれっ!?
「!!そうねっ!ヒーロー科の寮には出久くん達がいるから安心よね?!」
「ちょっ…ちょっとママ!?」
キラキラと目を輝かせて安心したような顔のママに先生は「それじゃあ、そういう話でお願いします」そう言いながらぺこりと頭を下げて話を終わらせようとする先生とママに思い切り叫んだ
「私の意志はないの〜!!」