第32章 見た目
「凝りすぎですか?可愛いと思ったんだけどなぁ」
勝己の言葉に少し肩を落とす発目の様子に華は慌てて声を荒げた
「そんな事ないよ!こんなの付けないから逆に新鮮だし、新しい発見っ」
手をブンブンと振って必死に伝えてくれる様子に嬉しそうに発目は笑った
「それなら良かったです!お気に召した様で!またメンテナンスとかありましたら気軽にご相談下さい!」
それではっ!と言い残し、機嫌よく発目は行ってしまった
取り残された4人は暫くの間沈黙した後、ボソッと華は零した
「あの…そんなに似合わないかな?」
チラリと華が3人を見ると うっとしたように動きが止まる
似合うか似合わないかと聞かれると似合うに決まっている
だがしかし最初に勘違いをしていた手前言い出しにくい
そんな微妙な空気の中、1番に口を開いたのは後からやってきた轟であった
「似合うかと言われれば似合うと思うぞ、そもそも華が付けるなら何でも可愛い」
サラリとストレートな発言をする轟に華は僅かに照れた
「そ…そうかな?ヘヘッ…」
「何 真に受けて照れてんだクソがっ!半分野郎も何お世辞こいてんだっっ!」
「お世辞?お世辞を言って俺になんの得があるんだ?それともお前は似合わないと感じているのか?爆豪」
勝己の言葉に真顔で返す様子に更に勝己は怒りを露わにした
「んな事誰が言った あ"あ"?そもそもなにどさくさに紛れて株上げようとしてんだよっ」
今にも飛びかかりそうな勢いの勝己に華はベシっと背中を叩いた
「いちいち喧嘩を仕掛けないっ」
そう言うと、勝己は背中を擦りながらチッと舌打ちをした
きっとあの爆豪勝己の背中を迷いなく叩けるのは華だけだろうなぁとハラハラしながらその様子を見守っていた出久は再度 華が付けているチョーカーをじっと見た
最初は勘違いをして驚いたけど改めて見ると可愛い華の容姿と反して大人びたそのチョーカーはアンバランスさが妙に際立ってしっくりとくる
「ん?何?はっ!もしかして出久も似合わないと思ってる?」
出久の視線に思わずばっと自分の首元を隠してしまった華に慌てて首を振る
「ううん!そんな事思ってないよ!むしろ似合ってるよ …ただ…」