第32章 見た目
「聞くところによると如月さんはまだ個性のコントロールが難しいとの事だったので勝手に暴走しないようにストッパーの役目を果たすような物をご用意しました」
へへんと発目は自慢ぎみに自分の作品の性能を説明しだした
「あの…それは凄いんだけど…そもそも2人は知り合いだったの?」
ハイと小さく挙手をしながら出久は華と発目を交互に見た
「あっ、それは私から発目さんに声を掛けたの」
「えっ!華ちゃんが!?」
「この間の体育祭で自分の発明を披露してたでしょ?あれを見て彼女なら私の希望を叶えてくれると思って」
「希望?」
轟の声に華はそっと首に付いているチョーカーに手を置いた
「そう、1つはなるだけ目立たずに首のアザを隠すため、それともう1つは暴発しないように」
「う〜ん、でも華ちゃん、機能的には凄いと思うんだけど逆に目立たないかなぁ?」
少しだけ困惑気味に口にする出久に華は同じ様に困った顔を見せた
「いやぁ、最初は凄くシンプルなデザインでお任せしたんだけど出来上がってきたら何か色々とね」
そう、華が発目に頼んだのはなるべく目立たずが前提だったので黒の何ら変哲もない形を頼んだつもりだったが完成されてきたのはゴシック調というのだろうか?凄く細かいレースが施された代物になっていた
「まぁ、これはこれで素直に可愛いかなって」
「当たり前じゃないですか 如月さんの可愛さを最大限に引き出せるように試行錯誤して作った一品なのですからっっ」
「凝りすぎだっ!バカかっっ!」
確かに最初に見たときには驚いたが、改めてみると白い華の肌に妙に似合ってしまう姿に勝己は内心 胸が高鳴ってしまったたが その気持ちを悟られない様に怒鳴ってしまった
特に出久や轟の前では絶対にバレるわけにはいかなかった