第32章 見た目
突如聞こえた声に思わず全員がバっと目線を移すとそこには意外な人物が立っていた
「あっ!発目さんっ!」
唯一その声に反応した出久は目を丸くした
「体育祭以来ですね 緑谷くん」
発目と呼ばれた少女はハキハキとした声で出久に挨拶した
「あぁ、アンタ確かサポート科の」
「覚えててくれて光栄です 所で私の可愛いベイビーの付け心地はどうですか?如月さん」
轟が覚えててくれたことを発目は喜ぶと ぐるっと視線を変えて華に向けて首を傾げた
「うん、問題ないよ、凄く付けやすい」
「それなら良かったです 付け心地、軽さを全てにおいて計算しましたから」
華の言葉に気を良くしたのか 発目はキラキラと目を輝かせながら喜々として喋る
その様子にずっと黙って見ていた勝己が発目に向かって吠えた
「おいっっ!オメェかっ!華にこんなもん付けたのはっ!」
「こんなもんなんて失礼じゃないですか これは如月さんの為に作った最高傑作のベイビーですよ」
「何が最高傑作だっ!ただの首輪じゃねーかっ!」
「だからー首輪しゃなくてチョーカーだって言ってるじゃない!それにこれは私が発目さんに頼んで作って貰ったんだから」
華の言葉にその場にいた3人全員の動きが止まった
「華ちゃん、頼んだときに熱でもあったの?」
本気で心配そうな顔をする出久の様子に華は思い切り首を振った
「…じゃあ頭でも…」
今度はそう聞いてくる轟に華はまたもや大きく首を振った
「熱もないし頭もどうもないっ!これは私が発目さんに頼んで個性を制御してくれる道具なのっ」