第32章 見た目
その日の放課後は出久と一緒に帰る約束をしていたので校門で先に待っていた
華は早く出久に会いたかった
それと言うもの首に付けたアルモノの感想が欲しくてソワソワとしていた
「あっ!華ちゃん、お待たせっ!」
「全然待ってないよ、そんなに急いで来なくても良かったのに」
息を切らしながらこちらへと向かってくる出久に華はにこにこと笑いながら手を振った
「ううん、僕が華ちゃんに早く会いたくて走って来ただけ…」
額の汗を拭いながら華の方に目を向けると言葉を繋げながら出久は首へと視線を落とした
「華ちゃん…それって…」
「あっ、これ?これはねぇ…「テメェはいつから飼い犬になったんだ?」
良くぞ聞いてくれました!というように嬉しそうに話そうとする華の言葉を遮るように出久の後ろからドスの聞いた声が聞こえた
「う…うわぁっ!かっちゃん!?」
「いきなり出てきて何訳のわからない事を言ってるわけ?」
言葉を遮られたのが不服だったのか拗ねたような顔をして華は声の主の勝己を睨んだ
「お前こそ何そんなの嬉しそうに見せびらかそうとしてんだよ 変態か」
「もっと分かんないわっ!」
そもそもいきなり人に変態呼ばわりされる覚えがない
だけどその視線の先は明らかに首元に向いていて
華はある疑問がよぎった
「ま…まさか勝己 これを見て言ったんじゃないでしょうね」
「あ"あ"?分かりきったこと聞くなや 何首輪付けて喜んでんだよ」
その瞬間に華の頭を鈍器で殴られた様な衝撃が走った
まさかそんな勘違いをされていたなんて
「ちっっっっがーう!!これは首輪じゃなくてチョーカー!!」
顔を真っ赤にして否定する叫び声が響いた