第29章 決意〜相澤消太〜
その顔に満足したのか、パパはガラリと変わるように機嫌が良くなった
「ほらほら、ここの鍋は魚介たっぷりで美味しいんだよ、沢山食べなさい華」
「ちょっ…そんなに注いでもすぐに食べきれないよってかなんで鍋!?」
「え?だって家族で食べるなら鍋だろ」
どうゆう理論?という風に首を傾げる私の横で消太くんが静かにお皿に注いだ鍋の具を食べながら、ぼそりと でも確実にパパに聞こえる音量て呟いた
「華の作った料理の方が美味い」
「消太、それは僕にさりげなく自慢してるのかい?」
「別に、ただそう思っただけですよ」
先程の仕返しというばりにツーンっとした顔をしながら黙々と食べる消太くんの姿にプッと噴き出してしまった
「どーせ、向こうに帰ったら沢山作って貰うから、なぁ 華?」
「え?なんで?」
さも当然だという顔のパパに私はにっこりと微笑んだ
「消太には作ってるんだからパパにもいいだろっなぁママ」
「あら、私は結構食べてるから」
さらりと返された言葉にショックをパパは受けた
確かにママとはしょっちゅう料理の勉強してたから一緒に食べてたなぁと思う
これからは向こうに行っても腕が落ちないようにまた一緒に作ろうか
「そ…そんな意地悪な事を言うなら僕も考えがあるんだからねっ!」
ガタッと急に立ち上がったパパに驚いたが、更に驚く事を言い放った