第29章 決意〜相澤消太〜
次の日は2人で一緒に家族で食事をした
消太くんは土下座ばりの勢いで90度のお辞儀をしながら私が卒業後に消太くんの家に帰れるように必死に説得していた
勿論 私も同じ様に頭を下げた
梅雨ちゃんが言ってくれた通り、私も家族との時間はとても大切だと思った
向こうで一緒にいられる時間を大事にしようと感じた
だからこそ消太くんと 大切な人と過ごせる時間も大事だと思う
ずっと黙って聞いていたパパはふぅと額に手を当ててあからさまにわざと悲しそうな顔をした
「そっか、華は卒業したら消太の所に嫁に行くのか…僕は寂しいよ」
「はぇっっ!?ちょっ…!何を言い出すの!」
突然の爆弾発言に慌てふためく私の横で消太くんは涼しい顔をしていた
「…そうやって、真面目に話してるのに話の腰折るの昔の悪い癖ですよね?」
「いやいや、消太 僕は真面目に聞いただけなのに」
お互いにじーっと見つめ合ったまま目線を反らさない
姿に私は一歩下がった
っていうかそもそも私たち手も繋いでないし何もしていないんですけど!
あっ!ハグはしたか…っていきなり結婚なんて話が飛びすぎてやしないかと思うのは私だけなのでしょうか
その様子をまたまた無言で見つめていたママはパンパンと手を叩いて仲裁に入った
「はいはい、そこまで 消太さんもあんまり睨むと華ちゃんが怖がっちゃうわ それに秋彦さんも意地悪を言わない」
流石 昔からの仲であって消太くんは直ぐに気まずそうに目線を逸らした
かというパパは少し拗ねたように口を尖らした
本当に、どちらが年上なのか
「意地悪じゃないよ、ただそれくらいの覚悟ないと納得出来なかったなぁと…」
チラチラと消太くんを見るパパの目は さも答えが欲しいかのように視線を向ける
その様子に覚悟を決めたように 消太くんは再度パパと目線を合わせるとキッパリと言い切った
「勿論、あるに決まってますよ、そうじゃなきゃ俺は此処にはいない」
「消太くん…」
思わず呟いた私の声にパパは本当のため息をついた
「だから言ったろう?時には素直になる事が大事だって」
そう勝ち誇った様子に消太くんは悔しいというような顔をしてたのは何故だろうか?