第29章 決意〜相澤消太〜
華は俺のお嫁さんになる為に頑張ったと言った
それは部屋をいつも綺麗にしてくれるのも異様に料理が上手いのも全てその為?
思い返せばあれくらいの年齢で家事が完璧なのはずっと想いは変わらずに努力してくれたという証なのだろう
そう思うと胸がぎゅうっと鷲掴みされた様な気分だった
それと同時にあんな顔であんな言葉を言わせてしまった事に今度はギリっと胸が痛んだ
やっぱり、迎えに 探しに行こうか
本当は今すぐに自分の思っていることを伝えたい
だけど彼女は10も年下で生徒 それに先輩の大事な娘
どうしても引っ掛かってしまう
でも、彼女の顔を思えばそんな考えは少しずつ崩れていくのが自分の中で分かる
やはり探しに行こうと上着を掴んで出ていこうとすると玄関からガチャガチャと音がした