第29章 決意〜相澤消太〜
何でこんな話をあまり話をしたことのない子にするのだろうか自分でも分からなかった
ただ、言えるのはきっと心の奥底では誰かにこうやって話を聞いてもらいたかったんじゃないかって
だってそうじゃなきゃこんなにベラベラと話してしまったらどういうきっかけで私と消太くんの話だと気付かれやしないかって考える
普段の華なら話さなかったのかもしれない
だけど、梅雨ちゃんは聞き上手か!ってくらいに話すと楽でスルスルと言葉が出てきた
勿論消太くんの名前は伏せて、幼い頃から好きだった事や諦めようと思ったら両親の海外転勤で同居する事になってまた好きになったとか
最近いい感じだと思ったのにいきなり親元へ行けと告げられた事 包み隠さず話した
一気に話すとゼハーっと一呼吸した ちょっと話しすぎたかなと華はチラリと梅雨を見るとにこにことしながら華の話を聞いてたようだ
「つまり華ちゃんはいきなり同居人さんに言われたのがショックだったのね?」
「ショックっていうかさ・・・・・う〜ん、私だけ今の生活が上手くいってるって喜んでたのかなぁって」
食べかけのドーナツを見つめながら華は小さく呟く
寄り道せずに家に帰って来てくれて私のご飯を美味しいと言ってくれて
ほんのたまにポンポンと頭を撫でてくれるようになったから
また、笑ってくれるようになったから、どこかで期待をしていたのかもしれない
ずっと消太くんの側にいていいものだと いつかは見つめてくれるものだと
「そう上手くはいかないよね、このまま離れた方がいいのかなぁ」
はぁとため息をつく華に梅雨は何かを考えるように空を見上げた
「これは私の憶測なんだけど きっとその人は華ちゃんの事とても大事に思ってるのね」
「んん?この話の流れでどうしてそうなるの?」
梅雨の突然の言葉に華は意味がわからないとい風に首を傾げた