第28章 思い〜相澤消太〜
次の日の昼過ぎに消太は少し痛い頭に手を当てて自室からのそりと出てくる
これは・・・・完全に二日酔いだ
昨日 秋彦さんに散々飲まされて離してくれなくて結局帰り着いたのは午前3時
当然華は既に寝ているだろうと起こさないようにそろりと自分の部屋へとフラフラと辿り着き そのままベッドに倒れこむように沈んだ
そのまま昼過ぎまで起きる事なく寝ていて、パチリと目を覚ました時には昼を過ぎていた
あの日マイクに送られて来てからは、ああゆう失態は2度としないと誓ったのに
昨日の秋彦さんの言葉がどうしても消化出来なくて酒で流し込んだ だけど酒は喉を通るけどそれ以外は一緒には流れてくれなかった
結果 二日酔いとう大惨事に至っている
しかも昨日今日で聞く話ではなかったと頭を抑えながら小さく溜息を吐いた
「あ・・・おはよう消太くん・・・・ってもうお昼過ぎだけどね」
リビングのソファに座ってお茶を飲んでいた華はチラリとこちらを向くもすぐに視線を外した
「あぁ、おはよう。その・・・昨日は絵里さんとゆっくりして楽しかったか」
「うん、久し振りだったから沢山学校の事話したよ、消太くんはパパに大分飲まされたみたいだね」
あたり障りのない会話なのに何故だか緊張する、消太はそれを振り切ろうとそそくさとキッチンへと向かった
「あーそのあれだ、秋彦さんって酒が強いよな、全く酔わない」
「そうね、確かにパパが酔っ払った所なんて見た事ないかも」
消太の言葉に少し考えて思い出したようにクスリと笑う華の様子にほっとしたかのようにコップ一杯の水を飲む
冷たい水が身体には心地良かった
「明日はママ達が一緒に食事しましょうって」
「一緒って・・・折角の家族水入らずだろ、俺が入ったら悪いだろう」
携帯をいじりながらそう言う華に消太はキッチンから遠慮がちにそう言うと
「やだ、消太くん 別に大事な食事会でもないんだから遠慮しないでよ。私も一緒だと嬉しいし、ね?」
いつもと変わらない様子に肩の力が抜けたのか「それなら」と言って頷くと華は納得したように笑った
この雰囲気の流れでなら彼女に伝えられるだろう そう思った消太はキッチンからソファへと足を進め
華の正面に座りながら彼女の目を見た
「なぁ、話があるんだが」