第26章 転機〜相澤消太〜
それから私の周りは怒涛の日々がどんどんと過ぎて行った
多分、自分に起こった出来事が濃ゆかったからそう感じるのかもしれないけど
あれから直ぐに学校内は雄英の体育祭で持ちきりになり、私は消太くんがあの状態で体育祭で何かするんじゃないかと思ってハラハラとしたけど
マイク先生が気を利かせて実況のサポートに収まっていた
本人はとてもとても不満そうだったが 頼み込んで大人しくしていてくれと言いくるめた
その後に暫くして私と消太くんは校長先生の元へと呼ばれた
事の経緯をマイク先生にしたように事細かに説明すると、これから先も周りに知られる事なく過ごす事を条件に許可された
ただ、どこで漏れ出すかはわからないので、必要以上に学校内では接触しない事にも追加された
元々、誰にも教えるつもりもなかったし学校内でもほとんど顔を合わせないのでそこまで難しくはなかった
他の先生には消太くんが直接説明をして、最初こそ驚かれたようだけどすんなりと受け入れてくれた事に驚きだった
夏休みに入って沢山消太くんといられるって1人でテンション上げてたらヒーロー科には夏合宿があると聞いて気落ちした
あからさまにシュンとする華に消太は「帰ったら一緒に花火してやる」と言って頭に一度手を置いて出かけて行った
置かれた頭に自分の手を置きながら少し戸惑っていた
それというものあのマフィンの事があってからやたら消太くんが甘くなった様に感じて仕方がなかった
自分の気のせいだと片付けるのは簡単だけど
心のどこかでそうあってて欲しいと思うのまた本音で、消太くんの言葉を反芻しながら大人しく家で過ごしていた
その約束はこの後の事件で吹き飛ばされると知らないで