第26章 転機〜相澤消太〜
「えっ!?待ってその状態で学校に行くの?」
「当たり前だ、何か問題あるのか?」
昨日は臨時休校だったから良かったものの、今日は通常通り学校だったからいつもの様に準備をしていると、その横でいつもの様に準備をし出す消太に思わず突っ込んだ
さすがに今日は休むだろうと思っていた華だったから消太の行動に驚きを隠せなかった
「きょ・・・・今日くらいは休もうよ?ね?」
「何言ってるんだ、あんな事があった後に教師が率先して休んだらアイツ等が心配するだろうが」
消太の言葉に言葉がうっと詰まった。
彼の言うことは良く分かる。私でさえ心配するのに、一緒にいた生徒達が心配しないわけがない
「・・・・行ってらっしゃい」
ぐっと堪えて絞り出した言葉に消太は「なるだけ早く帰るようにする」と呟くと家を出て行った
ゆっくりと通学路を歩いていると後ろから声をかけられた
「お早う華ちゃん、今日はゆっくりな時間なんだね」
言いながらこっちに向かって来る出久の姿は顔に絆創膏など貼って痛々しい
「お早う出久くん、体大丈夫?キツくない?」
「心配してくれてるの?嬉しいなぁ、リカバリーガールに治癒して貰ったから大丈夫だよ」
華の心配そうな言葉に嬉しそうに笑うと隣に並んだ
「その、大変だったね。良かった無事で」
後から見たテレビのニュースでボロボロになったUSJの有り様にゾッとした
あんな現場に消太くんや生徒がいたのかと思うと今更ながら怖くなった
「うん、僕達も目の当たりにして、まだまだ未熟だって事を実感したよ、それに相澤先生達が居なかったらどうなってたか」
そう言いながら拳をぎゅっと握る姿はその時の出来事を思い出したのだろう、顔が険しくなった
「出久くんもあんまり無理しないでね?ちゃんと治ってないんだから」
心配そうに出久の顔を覗き込みながら言えば顔を赤くしながらオタオタとし出した
「だ・・・大丈夫だよっ!それより相澤先生は怪我が大分酷かったから今日はお休みかな」
慌てたように早口でそう告げる出久に「どうだろうねぇ」と曖昧に答えた
言えない、朝 包帯グルグルで出て行きましたよ〜なんて