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僕の花〜ヒロアカ〜

第25章 無我夢中〜相澤消太〜



バタバタと廊下を走る

病院ではお静かにと看護師さんに言われたのだろうけど全く耳に入らなかった

目的の病室の前には警察官がいて私に気がついたのか入り口を固めた

「こら、駄目だよ。生徒さんは大人しく家に帰りなさい」

私が制服を着ていたからやんわりと刑事さんが宥めるように肩に手を置いたけど振り払うように叫んだ

「先生にっ・・・・相澤先生に会わせてくださいっ!」

「そう言われても・・・今は近しい人しか・・・・」

「お願い会わせてっ!!先生っーーっ消太くんっっ」

警察の人に押さえられながら病室のドアに悲痛な声で叫ぶと

ゆっくりと扉が開いた

「離してやってくれ、この子は近しい子だ」

「マイク先生・・・・」

顔をのぞかせたのはマイクで彼の言葉で押さえられていた腕の力が抜けたのかその隙にスルリと病室へと入った

目の前にいたのは包帯だらけで眠っている消太の姿で思わず駆け出してベッドまで行き、ゆっくりと彼の手を取った

握った手は動きはしなかったが温かかったその体温に安心すると思わずポロポロと目から涙が出てきた

「・・・・・う・・・・ひっく」

その後ろでマイクがゆっくりと口を開いた

「腕を粉砕骨折したりしてるが脳波とかには異常もないし命にも別状ないから大丈夫」

ぽんぽんと落ち着かせるように背中を叩かれ気まずそうに顔の涙をぐいっと手で拭ったならマイクを見つめて

「ここに、ずっといたら駄目ですか?」そう言いながら華は消太の手をぎゅっと握った

その様子にマイクは苦笑しながらも小さく首を振った

「それは出来ない相談だリスナー、この病院は完全看護だし、すぐに目を覚ます」

「でもっっ!!」

「それに、目が覚めた時にそんな疲れた顔をしてたらイレイザーが困るだろう、ちゃんと帰るのが1番だぜ」

もっともなマイクの言葉に華はシュンとした

ここにいても私は役に立たない。その事実は明白だった

「・・・・じゃあ、帰ります」

そう言って頭を一度だけ下げて出て行った華の姿を黙って見ていた教師達は僅かに困惑した表情をしていた

「・・・マイク、今のって」

「今はまだ何も聞かないでやってくれ」

ポツリと声を掛けるミッドナイトにマイクは複雑そうな顔をした

「きっと話すだろうよ」

言いながら眠る消太の顔をじっと見つめた



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