第25章 無我夢中〜相澤消太〜
あの日私は走った
無我夢中ってこういう事をいうのならそうなのだろう
周りの音も景色も全てスローモーション まるで夢に中にいるようにもどかしい
丁度帰り支度をしていて机にカバンを乗せて教科書を詰めながら今日はご飯何作ろうかなぁと呑気に思ってた
クラスメイトの1人が慌てて教室に入ってくるまでは
「A組の奴ら実習中に敵に襲われたって!!」
「一緒にいた先生達が病院に運ばれた・・・・・」
最後まで言葉を聞く前に華はカバンをひっ掴んで飛び出した
動悸がもの凄く聴こえる
変な汗が背中を駆け巡る
学校を飛び出してタクシーに急いで乗った
本当は走って行くつもりだった。だけど自分の足では無理だとどこか冷静な頭もあって行き先を告げて早く早くと心の中で願った
今日の日をこれほど長く感じたことはない