第24章 すれ違い〜相澤消太〜
夜中に喉が渇いたから寝ていたベッドからモソモソと起きて自分の部屋を開けた
部屋を開けるとリビングの明かりは付いたままだったから消太くんはまだ帰宅していない事を物語っている
消太くんがこんな時間までいないのは同居して初めてだった
何だかんだ言って7時ごろには帰って来るし、仕事で遅く帰って来ても9時前後だ
だけど今の華にはこの状況は有り難かった
昼間にあんな事があったから少し顔を合わせづらい
全然違うクラスにいたのがそんなに悪かったのだろうか?いや、他の生徒だって行き来しているのは見たことあるし、自分のクラスにもよく別のクラスの生徒が来る
じゃあ、何がダメだったのか?考えるけど出て来そうにない
それよりも華の心を抉ったのは消太の「そんなものは食わん」の一言だった
実を言うとマフィンは消太の為に作ったものだった
ホットケーキミックスを消費したかったのも理由だが、消太がドライアイだと知っているからこそ、少しでも目が改善すればいいなぁと思ってブルーベリー入りのマフィンを作ったら、面白くなって作りすぎてしまったという結果だ
華はキッチンに水を飲みに行くと、テーブルに乗せてあった綺麗にラッピングして『食べてね』というカードをわざわざ貼り付けているブルーベリー入りマフィンをゴミ箱に投げ捨てた
じっとゴミ箱を見つめて部屋に戻ろうと足を動かしたと同時に玄関からガチャガチャと鍵を開ける音がした
帰ってきたのであろうかと視線をリビングの入り口に視線を向けるとガチャリとドアが開いた
「イレイザー着いたぞ、お前電気付けっ・・・・・・・・・」
姿を現したのは飲み過ぎてフラフラであろう消太を支えるように入って来たのは
雄英高校の教師、プレゼント マイクでお互いにバッチリと目があって
「「うわーーーーーーーーー!!」」
同時に同じリアクションで叫んでしまった