第23章 後悔の感情〜相澤消太〜
「えっ?あのっ・・・!?そのっ!!」
突然の質問に緑谷はわたわたと取り乱した。その横で華はクスクスと笑った
「違う違う、私と出久くんは小さい頃から一緒の幼馴染かな?ついでにそこの爆豪くんも」
「ついで言うなやっ!!クソがっ!」
叫ぶ爆豪を綺麗にスルーしながら「初めまして、私 普通科の如月華です」とペコっと頭を下げた
「あっ、それで今日はお昼に何の用事だったの?」
彼女の挨拶に緩みきった顔をしているクラスメイトの意識を変える様に出久は慌てて言葉を告げた
「あっ!そうそう、忘れてた 出久くん甘いもの好きかなって」
言いながら出久の机にペーパータオルを引いて持ってきた紙袋をひっくり返せばゴロンゴロンと色んな種類のマフィンが転がった
「ど・・・どうしたのこれ!」
作りすぎだろうと思うくらいの量のマフィンに目を丸くして驚く
「いやぁ、昨日商店街の福引きでホットケーキミックスを大量に貰って・・・仕方ないから全部使ったら大量生産されてしまって・・・」
言いにくそうに視線を彷徨わせながら「良かったら食べて?」と笑った
華ちゃんの手作りなら勿論食べる。今まで一度も食べた事がないのだから喜んで食べる
だけど・・・ちょっと多すぎやしないか?
けどせっかく作ってきてくれたんだから死ぬ気で食べる!と意気込みながら出久はマフィンに手を伸ばすも、先にマフィンに手が伸びる光景が目に入った
「か・・・かっちゃん!」
「あ”?こんなにたくさんあんだからいいだろう」
言いながら手に取ったマフィンにかぶり付く
「・・・甘っ・・・」
そう零すとかじりながら自分の席へと戻っていく
「もうっ!僕が最初に食べたかったのに」
そうボソリと呟きながらチョコチップの入ったマフィンを手に取った
その様子を見ていた赤髪の男の子が「なぁ、俺も食べたい」と出久をツンツンと突くからその様子に思わず笑ってしまった
「見ての通り沢山あるから皆さんもどうぞ」
そういうと一斉に机に手が伸びてきた