第23章 後悔の感情〜相澤消太〜
1-Aの教室の前で立ち止まると華はドアの隙間からコソッと中の様子を除いた
椅子にちょこんと座っている出久を見つけるとガラッとドアを開けて名前を呼んだ
「出久くんっ待った?」
「華ちゃん!ううん、全然だよ」
2人のやり取りに一瞬教室がザワめく
緑谷に他のクラスの友達がいたのか、っというか名前呼び!このクラスでは滅多に呼ばれないであろう呼び方に驚き、そして笑顔で名前を呼んだ少女が美少女!その出来事はクラスの注目を浴びた
「あ・・・あの、えと。もしかして来ちゃいけなかった?」
あまりに注目を集めるものだから華はその身を一歩引いた
「そんな事ないよっ!みんな華ちゃんが可愛いから驚いてるだけだよっ」
「出久くん・・・・そんな冗談ぶっ込んでくるのはやめて、急にだと反応に困るから」
「はは・・・・・」
いつも本当のことを言ってるつもりなのにこうして華は冗談としか受け取ってくれない。毎回のことだからもう慣れてしまった
このまま入っていいのかどうか迷っていたらいきなり後ろから華の肩を掴む手が伸びて来た
「何入り口に立ってんだよ、邪魔だクソが・・・ぁ?華?」
いきなり肩を掴まれて驚いて振り向いた目線の先には昔からよく知る昔馴染みの顔があった
「・・・爆豪くん。」
「おま・・・・こんな所で何してんだよ、とうとうボケたんか。お前の教室は向こうだぞ」
「知ってるわ!用事があって来たの」
べしっと掴まれた肩に置かれた手を振り払う様に叩いて爆豪へと向き直した
「まだクソデクに付いて回ってんのか、いい加減離れろよ」
「そんなの爆豪くんには関係ないでしょう?そんなに仲間に入れて欲しいなら言えばいいのに」
「バカかお前ぇはっ!お前の頭の中は相変わらずお花畑だなっ!」
ギャーギャーと入り口で言い合いをする2人にクラスメイトはポカーン、出久ははいはいというように2人を引き剥がした
「僕もだけど華ちゃんもかっちゃんとは言い争いが絶えないんだよ」
ずるずると引きずられながらう“〜っと唸っている華を宥める
「それよりさっ、この子緑谷の彼女?」
ずずいっと寄って来た赤い髪の男の子が興味深そうに聞いてきた