第23章 後悔の感情〜相澤消太〜
「・・・おはよう」
「あっ消太くんっおはよう。昨日は遅かったんだね」
「あぁ、仕事が終わらなくてな。もう行くのか」
ポリポリと頭をかきながら眠そうな顔で部屋から出てくる消太に挨拶すると華はパタパタと小走りで玄関に向かっていた
「うん、今日はちょっと用事があるから。お弁当机に置いてるね」
机に置いてあるお弁当を指さすと「行ってきま〜す」という声と同時にドアが閉まる音がした
華が早く出るなんて珍しいなと思いながらも机に置いてあるお弁当に目を向けてふっと笑った
ふと僅かに部屋に甘い香りが残っていることに気が付いたが消太はさほど気にする様子もなく、自分も支度を始めた
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「華ちゃんっおはようっ!うわっ!どうしたのその大きな紙袋」
後ろからかけて来たであろう出久は華の持っている大きな紙袋に目を丸くした
「あっ、出久くんおはよう〜これ?ふっふっふ秘密なのだよ。所で出久くん、お昼休みに出久くんのクラスに行ってもいい?」
「えっ!?別にいいけど、珍しいね。華ちゃんがクラスに来たいって」
「あ〜たまにはね」
華は何やら目線を泳がせながら「じゃあ、お昼休みにね」と笑顔で言われると出久はそれ以上聞けなかった
その手に持っている紙袋と関係があるのだろうか?という疑問も出久の中にはあったが昼休みにも彼女に会えるのが嬉しい気持ちの方が勝った
昼休みが楽しみだ