第23章 後悔の感情〜相澤消太〜
「おめでとう〜ございま〜す」
カランカランと鳴り響く鐘の音に華は嬉しそうに目を見開いた
今日は学校の帰りがてらに近くの商店街で夕飯の買い物をするのが日課になっていた
今、商店街主催で福引をしていて 華は丁度福引券が10枚溜まっていたので挑戦してみることにした
たった一回、されど一回。まさか当たるとは思ってなかったから驚くやら嬉しいやらでアワアワとした
「はっ!そ・・・・それで商品はっっ!」
はっと食い気味に聞くと、商店街の人は鐘を持ちながらふっふっふと笑いながら
「商品は・・・・・これだぁっ!!!!!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「う〜ん、どうしようこれ・・・・・」
腕組みをした華の目の前にあるのは大量のホットケーキミックス
先程商店街で当てた商品は大量のホットケーキミックスだった
一体誰がこんなに大量のホットケーキミックスを貰って喜ぶのだろう
因みに3等でこれだ。1等はというとお米5キロだった・・・・商店街の福引きなんてこんなものなのだろうけど
「どうせなら油とかが良かった」
などとポツリと呟いて しまうのはこの生活に少なからず慣れてきたからだろう
最初はどうしようと戸惑ったのは事実
だけど同居するにあたってこのまま避けるのもダメだ
昔と同じ様な態度でいれば彼は変わらずに笑ってくれる
それが懐かしくもあり、嬉しいから思わず笑ってしまう
諦めようと思って自分の気持ちを確かめようと思って入った雄英だったけど
諦めかけてた気持ちにまた火がつくくらいに
好きだと思った
「うんっ!よしっ決めた」
そう言いながら腕まくりをしてホットケーキの箱に手を伸ばした