第5章 恐怖の島で過去は巡る (スリラーバーク編)
次にフランキーがブルックと出会った時に話したことを教えてくれた。
全ては、ある場所に置いて来た仲間との約束を守るため、会いに行くため。
その仲間はクジラだった。
そして何の因果か、ルフィたちはそのクジラ・・・ラブーンと出会っていたのだ。今でも、そのクジラはブルックたちを待ち続けている。
こんな凄いことがあるだろうか。
「ヴォオオオオ!骨もクジラも大好きだ、チキショー!」
「「「うるせぇよ!」」」
突然のフランキーの大きな泣き声に、ゾロとサンジとウソップが怒声を浴びせた。
こっちとしてはどっちもうるさいのだけれど。
「おれはあいつを引きずってでもこの船に乗せるぞ!」
ルフィはより一層ブルックを仲間にする決意を固めた。
「会わせてやりてぇな、あいつ!ラブーンに!」
「賛成だ、チキショー!」
「おれもだコンニャロー!おれもうガイコツ怖くねぇ!」
『私も!怖くない!』
ウソップの言葉に事情を知らず聞いただけのフランキーとチョッパーと私が食い気味に賛同した。
もう、ブルックのこと怖いだなんて言わない!!
話を聞いただけなのに、私まで泣きそうになってしまった。
「ゾロ、どこ行くんだ!」
ゾロが既に船を降りて島へ向かって歩いており、ルフィが声をかけた。
「さっさと乗り込むぞ、奪い返す影が一つ増えたんだろ?」
ニヤリと笑うゾロ。
「ししし!よっしゃあ野郎共!反撃の準備をしろ!スリラーバークを吹き飛ばすぞー!!」
ルフィの声に全員が気持ちを一つにする。
「ゆけ!」
「おめェもだ、アホ!」
ウソップとサンジのアホらしい掛け合いまで含めて、これが私たち麦わらの一味の気合いの入れ方だ。