• テキストサイズ

【ONE PIECE】今日も剣士に愛される

第11章 過去の傷跡



『ごめんね、私のせいで迷惑かけちゃった』

 まさか、こんなところで彼に会うとは思っていなかった。
 今でも少し手が震えて、心臓もばくばくと鳴っている。

「クレア、あいつは一体誰だ」

 ゾロがじっと私の顔を見つめながら問いかけてくる。

「さっき自己紹介してたじゃねェか、なんとか海賊団のなんとかって」
『べトレイ海賊団のレイヴィスね』

 ルフィが全く名前を覚えていないので、訂正を入れる。
 おそらく、この先も覚えないような気はするけれど。

「ちょっと! なんか変な騒ぎになってたけど、迷惑かけたんじゃないでしょうね!」

 遠くから、ナミの怒声と共にロビン、フランキー、ブルックも現れて一味が集結した。

「ち、違ェよ! オレたちが変なやつが絡まれたんだぜ! オレ達っていうか……主にクレアが……」

 ウソップが、私の様子を伺いながらも、ナミに怒られないように状況説明をした。
 それによって、全員がこちらを見つめる。

『私は……昔、リノスと一緒にべトレイ海賊団の船に乗ってた』

 みんなが驚いたようにこちらを見つめる。
 ルフィだけが顔を輝かせて「なんだよ! オレたちと会う前から海賊だったんだな!」なんて呑気に言ってのけた。
 そして、ナミに思いきり頭をはたかれていた。

『仲間だったわけじゃないよ、私とリノスの力を一方的に利用されていただけ。だから、私たちは命がけで逃げ出したの』

 みんなが何て声をかけていいかわからないようにしていたので、私は笑顔を取り繕ってみせた。

『でも、全然大丈夫! 今はこうしてみんなに出会えたし、リノスも海軍でしっかりやれてるんだから!』

 そう明るく振舞ってみたけれど、みんなの心配そうな表情に全く変化はなかった。
/ 283ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp