第5章 恐怖の島で過去は巡る (スリラーバーク編)
『よし、完成。』
出来上がった絵を見て、我ながら良い出来だと感心する。
そう思っていると外から声が聞こえる。
ロビンとフランキーとウソップとチョッパーだ。
みんなも無事だったんだ、良かった。
だけど、ナミはいないみたいだ。
「おーい!ルフィ、ゾロ、サンジー!」
チョッパーの可愛い声が聞こえる。
それから、バン!と扉が開いた。
ウソップと目が合う。
「クレア!?」
ウソップが私の名前を呼んだので、私は手をフリフリと振っておく。
「いた!ダイニングにいた、3人共だ!しかも、クレアもいたぞ!」
ウソップが外にいる3人に伝えると、3人ともこちらへ急いで来た。
「完全にゾンビ達にデコレートされてるが・・・。」
「・・・無残ね。」
ウソップとロビンが一言ずつ、3人の様子に感想を述べる。
『ねぇ、みんなは一体どうしてたの?』
完全にはぐれていた私は、他の人たちの様子を聞きたくて問いかける。
ウソップ、チョッパー、ナミの3人に起きたこと。
他のみんなに起きたことの話を聞く。
それでルフィとサンジにゾロは影を抜かれてしまったらしい。
それから、ナミが連れていかれてしまったこと。
ブルックは自身の影を取り返すために単独で動いていること。
事の顛末を全て聞いて、ここで私1人待つなんて、そんなことは出来ないと覚悟を決めた。
「クレアは何してたんだ?」
チョッパーが私に問いかけてくる。
『私は、ロビンたちと居たんだけど途中で珍しい染料の材料になる花を見つけてテンションが上がって駆け寄っていったらはぐれちゃったの・・・ロビンもフランキーも心配したよね、探したよね、ごめんね。』
私がしゅんとして謝るとフランキーとロビンは顔を見合わせた。
「私が気づいて『どこに行くの、そっちは暗い森よ!』と声をかけたけど、クレアは『いいえ、大丈夫よ!』と答えたから、好きにやっているならって放っておいたのよ。」
ああああ、そういうことじゃない!!
私自身を鼓舞する言葉だったのに、それを問いかけの答えとして受け取ってしまったんだ。
いや、答えになるような言葉だもの、仕方ない。
そもそも勝手にはぐれて、何も聞いていなかった私が悪い!