第5章 恐怖の島で過去は巡る (スリラーバーク編)
『凄い、奇跡だ。』
何だか見たことある景色を辿って辿って辿った場所は、あのケルベロスのいた門だった。
あぁ、あの暗い道を1人で通るのは怖いけれど、この怖い場所にいるのももうたくさんだ。
みんなには申し訳ないけれど私はこの島を探検出来ません・・・1人で船で絵を描きます。
そう思いながら船までの道を進む。
ケルベロスもいないし他の敵も見当たらない。
それだけで、この暗い道が天国への階段くらいに良いものに思えた。
前方に船が見えてくる。
私は安堵しながらも早くこの暗い場所から抜けて息をつける場所に行きたいと全速力で走り抜ける。
そうして船に到着したのだが、船は荒らされていた。
泥の足跡もたくさんついているし、私が交戦したあのゾンビたち?それともそれ以外の何か?
何にしても怖い。
え、もしかしてこの船にいる??
私はそう思って船を捜索するが特にどこにもいない。
1番最後にダイニングを見る。
何だかここは人の気配がして最後に残しておいた。
『大丈夫、大丈夫・・・。』
私は小さく呟き自分を安心させてから、バンッ!と扉を開ける。
すると、そこにいたのはサンジとルフィとゾロ。
『ぶはっ!』
私はその光景に吹き出してしまう。
3人は寝ていて全く起きる様子がないが、横だったり縦に顔が伸びていたりで変な顔をさせられているし、髪の毛も変にいじられている。
これは、笑わない方がおかしい。
しかし、このまま起こしてしまっていいのだろうか。
ルフィはともかく、ゾロとサンジのこんな姿滅多にお目にかかれないだろう。
これってもしかして、デッサンのチャンス??
私は速攻でキャンバスを出して3人の絵を描き始める。
そう、これは思い出作り。
のちに見た時面白いものを残す為の時間。
私はこの時間を少しでも正当化させるために、そう自分に言い聞かせた。