第5章 恐怖の島で過去は巡る (スリラーバーク編)
ルフィとフランキーはゴーストに憤り、ゾロは笑うサンジに怒声を浴びせている。
だけれど、本当に面白かった。
思い出しても笑っちゃいそう。
『ふふっ。』
「おい、テメェまで笑うんじゃねぇ!」
私まで怒られてしまった。
だって面白いんだもん、仕方ないじゃん。
私は、ケルベロスから降りて1番最後尾を歩いている。
森の中を見渡しながら歩いていると一つの花が見えた。
『え・・・。』
私はその花に釘付けになる。
待って、あれは、あれは・・・珍しい染料の材料になる花!!
だけど、それが見えるのは暗い森の中。
そこで一際輝いて見えるのだ。
『いいえ、大丈夫よ!!』
私は自己暗示をかけて、一目散にその花に近づく。
再現が難しい青色を作ることが出来る花「アオズイショウ」
私は触れたことがなく、再現後の絵の具も手に入れたことがないので今まで創造出来ずにいた。
ただ、図鑑でひたすらに眺めることしかできなかった花が、なぜ、なぜここに!?
ああ、夢のようだ。
私はその花を摘んで嬉しすぎて舞い踊ってしまう。
そしてふと気がつく。
完全にルフィたちとはぐれてしまったことに。
『やばい、どうしよう。』
この暗い森の中で私一人。
どうして大丈夫だなんて思ってしまったの、私。
ああ、みんな私を探していたりするのかしら。
くそう、ゾロめ!何か出たら守ると言ったくせに!!
いいや、そもそも勝手に離れたのは私だ。
完全に怖さから情緒が不安定になっている。
一旦落ち着こう。
『すぅー、はぁー。』
深呼吸をして気分を落ち着かせる。
・・・落ち着けるかぁ!!!