第5章 恐怖の島で過去は巡る (スリラーバーク編)
ゴーストシップには動くガイコツが乗っていて、くじで誰が向こうに行くかを決めた。
結果、ナミとサンジとルフィが行くことなった。
正直、私はとてもホッとしている。
流石に怖すぎて無理だもの。
向こうの船から鳴り響く「ぎゃあああ!」と言う声に、ウソップは十字架を掲げ「悪霊退散、悪霊退散、ルフィ安らかに眠れ〜!」と声を上げていた。
勝手に殺すな。
「ヨホホホ!ハイどうもみなさん、ごきげんよう!私、この度この船でご厄介になることになりました!"死んで骨だけ"ブルックです!どうぞよろしく!」
「「「ふざけんな!何だこいつは!!」」」
ルフィとナミとサンジが連れてきたガイコツが挨拶をする。
あぁ、目眩がする。
私がくらりとすると、隣にいたロビンが私を支えた。
「クレア、大丈夫?」
『ちょっと、頭が追いつかなくて。』
ロビンが心配そうに私を覗き込み、私がそう答えるとふふっと笑われた。どうして笑うの、深刻なのよ。
そうして、一旦全員がダイニングで腰をかけサンジは料理を作り始めた。
もうこの状況に私は追いつけず、ぐったりとする。
どうしてみんなそんなに元気なの?ガイコツが動いてるのよ?
私はホラーは大丈夫なのだが、目の前でガイコツが実際に動いているとなると話が違ってくる。
だって、意味がわからない!!
ガイコツのブルックはずっと陽気に話していて、それにゾロとサンジが代わる代わるツッコミを入れていた。
目の前にサンジの料理が置かれて、私はすぐさま元気になった。
サンジの料理は美味しいもの!食べなければ損よ!
「ヨミヨミの実?」
ブルックのガイコツ姿は、やはり悪魔の実によるものだった。
死んで蘇った2度目の人生ということらしい。
死んで元の体を探し彷徨い見つけた時には白骨化していた・・・という何ともマヌケな結末が目の前の姿のようだ。
それから、アフロは毛根が強かったおかげだという・・・本当に??
「じゃ、お前オバケじゃねぇんだな!」
オバケ発言にオバケは苦手だと言うブルック。
妙に説得力が無い。
「あんた、鏡見たことあるの?」
「ギャーッ!やめて下さい!鏡は!」
ナミの差し出す鏡に拒否をするブルック。
鏡には、ブルックの姿が映っていなかった。