第5章 恐怖の島で過去は巡る (スリラーバーク編)
晴れ晴れとした空で、良い天気。
私は甲板で画材道具を広げて絵を描いていた。
どこまでも広がる海、青い空、何度も描いてきた光景だけれど今までとは違う。そこには仲間たちがいる。
ルフィとウソップは釣りをしていて、私はその光景を絵に留めていた。叔父さんのように、私も仲間と様々な場所を旅して風景を絵に留めて、そして仲間たちの様子も絵にして思い出として残したい。
ルフィとウソップはサメを釣り上げたようで生簀の中に入れていた。
あれ、今までたくさん魚入れてたのにサメなんて入れて大丈夫なのかしら・・・。
そんなことを思っていると「おい!海になんか浮いてるぞ!」というゾロの声が聞こえた。
「海神御宝前」と書いてあるそれを拾い上げ私たちは取り囲む。
それはお宝ではなく、航海の無事を祈って保存食や酒を入れて流したもので、開けたらまた新しいものを入れて流すのが習わしらしい。
そして、開けるとシュルルルルと打ち上がり空でパン!と弾けて赤い光を放った。発光弾だ。
その後すぐにナミが「大嵐」が来ることを伝える。
皆が帆をたたみ始め、私は画材道具を急いでしまう。
私にとっては画材道具が命より何より大切なのだ。
ナミの言うとおり嵐に見舞われる。
サニーの機能でどうにかそれを超えるが、抜けた先は夜のように霧が濃く暗い海。
私たちは"魔の三角地帯"に入り込んでしまったらしい。
ウソップがぎゃあぎゃあ騒いでいると、後ろの方から「ヨホホホ〜♪」と歌が聞こえてきた。
「「「『出たぁああああ!!ゴーストシップー!!!』」」」
ドンと現れた古びた船に、私たち一同は声を上げた。