第4章 夢と仲間と
『みんなに、伝えたいことがあるの!!』
朝、サンジの作ってくれたご飯を囲みながら私は大きな声を出す。
すると、全員がこちらに視線を向けた。
『わ、私の、夢と・・・能力の話。』
「おお!クレアにも夢があるんだな!」
ルフィがそう言って更に期待の視線を向けてくる。
『みんな、アーティルスって知ってる?』
「知らねぇ。」
ルフィが私の問いかけにいち早く答えた。
まさか、叔父さんを知らない人がいるなんて・・・!と内心驚いているけれど、他の人は知っているような素振りだった。
「アーティルスは、世界一の芸術家と言われていて、彼の残した作品は最低でも1億ベリーの値があると言われているわ。」
「へぇ、そうなのかぁ。」
流石、博識のロビン。
知らないルフィのために説明をしてくれる。
「で、そいつが何なんだ?」
『アーティルスはね、私の叔父さんなの・・・。』
「「「「ええええ!?」」」」
みんなが驚いて声を上げる。
驚いてくれることは、何だか嬉しい。
『私の、いや、私と弟のリノスの夢は、叔父さんの作品をコレクションすること!そして、幻の名画"大海賊"を見つけ出すこと!』
あぁ、ついに言ってしまった。
「"大海賊"は誰も見つけたことのない、噂だけが飛び交っている幻の名画・・・。」
ロビンが"大海賊"についても説明してくれる。
「そんな夢があるんだな!!お宝探しなんて楽しそうじゃねぇか!にっしっし!」
ルフィがそう言って笑う。
あるかないかなんて問わずに、楽しそうだとその一言で包み込んでくれる。
『そんなものはないって、思わないの?』
「夢をバカにするやつを俺は許さねぇからな!」
ルフィの海賊王の夢も、ゾロの世界一の大剣豪の夢も、普通ならバカにされて笑われてしまうものなのに、胸を張ってる。
私も、胸を張って夢だと言えることが、何よりも嬉しい。
『"大海賊"の存在を、私とリノスは直接聞かされてる。だから、絶対この海のどこかにある!!それに、叔父さんはゴールド・ロジャーの船に乗っていたの。だからきっと、描かれている"大海賊"とは彼らのことに違いない。』
「「「ゴールド・ロジャー!?」」」
突然出た大物の名前に、みんなは目を丸くする。
これって、叔父さんの名誉的に言っちゃダメだったのかな。