第1章 溺れた女
「このリュックの中身は何なんだ?」
ウソップが私のリュックを見て不思議そうに首を傾げる。
『あぁ、これは画材道具です。』
私は、リュックの中身を出して見せた。
中身は、絵の具や筆、ノートやキャンバスなど絵を描くための道具である。
『まぁ、水に濡れてぐちゃぐちゃですけど。』
と言っても、創造の力を使えば乾かした画材道具を材料に再び新しいものに出来るから、特に困ってはいない。
「あなた、絵を描くのね?」
ロビンに尋ねられて、私はコクリと頷いた。
『私は芸術家です。世界を旅しながら、風景だったり人だったり・・・様々な絵を描いています。』
旅をしている理由はそれだけではないけれど、それを彼らに話したところでどうせ馬鹿にされるに決まっている。
「うおー!芸術家!!スゲェな!俺の仲間になれよ!」
「おい、ルフィ!」
ルフィが言った言葉に対して、反論するようにゾロがルフィの名を呼ぶ。
「私は賛成よ!」
ナミは相変わらず目を$にしていて、宝の地図と私を見比べながら食い気味にルフィに賛同した。
『遠慮しておきます、私は戦うのは得意じゃないし・・・その代わりみんなの絵を描いてプレゼントしますよ!』
どうにか話を逸らし、皆は絵のプレゼントに対して嬉しそうにしていた。