第4章 夢と仲間と
「おれは、クレアといるの凄い楽しいぞ!」
チョッパーがニコニコしながら私に言う。
「クレアちゃん、俺たち助け合ったのに仲間じゃないなんて寂しいこと言わないでくれよ。」
サンジが少し寂しそうな表情を浮かべた。
「クレア、お前はもうおれ達の仲間だ!それにおれ達の絵を描いてくれる約束だもんな、にっしっし!」
ルフィが私にそう告げてから、ニッと笑う。
『約束したけど、芸術家は他にもたくさんいるし、それに「うるせぇ!お前はもうとっくにおれ達の仲間になったんだ!」
あぁ、ルフィには敵わない。
きっと私がどんな言い訳を用意しても折れないのだろう。
だけれど、言い訳をしていながらもその強引さが嬉しかった。
だって私は彼らの仲間になりたいと思ってしまったのだから。
居心地の良さを感じて、彼らの仲間思いな部分に随分と惹かれて、ただの友人だと言い聞かせながらも、仲間になれたらどれだけ良いだろうかと考えてしまっていた。
私は、自然と嬉しさで笑みを浮かべてしまっていた。
「姉さん・・・海賊のことを許せるの?」
リノスが怒りで震えている。
彼は海賊が大嫌いだ、だから海軍に入った。
私だって海賊は好きではない、だけれど全ての海賊が【奴ら】のようではないことは知っている。
弱いものから搾取したり、横暴な振る舞いをしたり、それは海賊に限らず行われているのだから。
『許してはいないけれど、あいつらとルフィ達は違うもの。』
「僕は、もう姉さんに辛い思いをして欲しくないから海軍に入ったんだ!!なのに、姉さんが海賊になったら・・・僕は姉さんを捕まえなければいけなくなる。」
リノスはギュッと拳を握りながら下を向く。
これはリノスが涙を我慢するときの仕草だ。姉として苦しい思いを弟にさせてしまうなんて、私は姉失格だ。
「リノス、そのへんにするのだ。」
「・・・はい。」
ガープさんに声をかけられ、リノスは一歩後ろに下がった。
「ルフィ!ワシの目の前で仲間を勧誘するとは何事じゃ!!」
ガープさんは再びルフィにゲンコツを入れた。