第3章 友情のために (エニエス・ロビー編)
「ルフィが・・・勝ったぁああああ!!」
ウソップが雄叫びをあげる。
それが尚更、私にルフィの勝利を実感させた。
「全員すぐに脱出船へ!船を出すわよ!」
【やったぜー!麦わらさん!うおおおお!!】
ナミの一声で私たちは船へ向かおうとすると、無線から声が聞こえてきた。
それは死んだはずのフランキー一家たちやパウリーの声だった。
向こうも全員が無事で、それを聞いてフランキーは号泣してきた。
誰1人欠けずにこの死闘を私たちは乗り越えたんだ!!
私は嬉しくて、そしてみんなが生きていることに安心して腰が抜けてしまいそうになる。
だけれど、まだ脱出は済んでいないのだからともう一度気を引き締めた。安心するのはここを抜けてからだ。
しかし、ルフィが致命傷で動きがないとも聞こえる。
「おい、ルフィ!急いでこっちへ来いよ!逃げなきゃ助からねぇんだ!どうしたんだよ、もう一息だ!」
「ハァ、ハァ、うん。」
ウソップの声にルフィは相槌を打つも相変わらずその場を動かない。
「ゴムゴムでこっちへ飛んでこい!後は俺が担いでやるから!周りは海と軍艦だらけだ、殺されちまうぞ!」
「体がよ、全然・・・動かねぇ。」
ルフィが動かないのに加えて、私たちが使おうとした船がボッカーン!と砲撃されてしまう。
脱出手段がなくなってしまった。
乗っていたココロばーさんとチムニー、ゴンベ、それにチョッパーはサンジが抱えて逃げてきてくれた為無事だった。
とうとう橋までなくなって第2支柱へ追いやられる。
今度こそ、一巻の終わりだ。
ルフィのいる第1支柱が砲撃されそうになる!
『ルフィ!動いてェ!!』
私も叫ぶが動かない。
「海へ飛べー!」
砲撃5秒前、ウソップが叫んだ。
みんながどんどんと飛んでいく。
ええ、みんなどうしちゃったの!?
海に落ちたら、私は溺れて死んじゃうよ!!
「おい、行くぞ!」
私がオロオロしてると、ゾロが私の手を引っ張って海へ飛び込んだ。
すると、なぜみんなが安心して飛び込んでいたのかがわかった。
『メリー!?』
彼らの仲間のメリー号が私たちを迎えに来てくれたのだ。