第3章 友情のために (エニエス・ロビー編)
「ゲホッゲホッ!」
私は自分の咳で目を覚ました。
誰かが私を抱きしめてくれている感覚がする。
私が上を向くと、そこにはゾロの顔があった。
『うぎゃああああ!!』
私は顔の近さに驚いて、ベチン!とゾロの顔をはたいた。
・・・あれ?デジャブ??
「またか、テメェは!ぶっ殺すぞ!!」
『わぁあ、ごめん!ビックリしちゃって。』
私、溺れて死ぬって思ったのに。
もしかして、ゾロが助けてくれた?
いや、でも隣でサンジがココロばーさんを見てめちゃくちゃショック受けてるし・・・これは何かあったな。
「ロビーン!」
「ロビン!」
後ろでナミとチョッパーがロビンに抱きついている。
『ロビン!』
私もロビンにバッと近づいて行くが、私は麦わらの一味じゃなくてロビンにとっては全然仲間じゃないのに、ナミたちと同じように駆け寄っていいのわからなくて直前で躊躇う。
チラリとロビンを見ると、微笑を浮かべながら私を見ていた。
「ありがとう。」
そして、私にお礼の言葉をかけてくれる。
私もニコリと笑ってロビンにギュッと抱きついた。
『良かった、本当に・・・仲間って凄いね。』
「ええ、そうね。」
『私にも・・・出来るのかな。』
私がロビンから離れてそう問いかけると、ロビンは驚いた顔をした。
ここで、出来ると肯定して貰えれば・・・私はこれからの活力になるような気がする。
「もう、いるんじゃないかしら。」
ロビンは私の頭にポンと手を乗せてから、また笑顔を浮かべてくれた。
それは、友達としてでも仲間だと思ってくれてるということ?
そうだったら私は、どれだけ嬉しいだろうか。