第3章 友情のために (エニエス・ロビー編)
「急ぐぞ君たち!グズグズするな!」
私たちは地下通路を通って、ロビン達の元へ向かっていた。
ウソップは塔から飛び降りたことで重傷を負っており、ゾロとサンジによって運ばれていた。
先の言葉は、そんなウソップが言ったものだった。
「偉そうに喚くな、テメェ!」
全くもってゾロの言う通りだ、運ばれている身のくせに。
「満身創痍だ・・・肋骨が全部折れた、6本。」
「もっとあるから大丈夫だ、全く世話の焼ける。」
ウソップは良く口が回る。そんな冗談みたいなことを言っているから本当は元気なのではと思ってしまう。
ペラペラと喋るので、ゾロに「黙ってろ、走らすぞ!」と怒られていた。
「勘弁してくれ、肋骨が全部折れたんだ、じ・・・10本。」
『もっとあるよ。』
私が言うと、ウソップは今度こそ口を噤んだ。
と思いきや、また走っていると「ところで君たち」と口を開いたので再びゾロに「黙ってろ!」と怒られている。
何度かウソップが口を挟んできたので、聴くとどうやら水の音がすると言うことだった。
「あ!!やっぱり!」
「ばーさんやナミたちが水に追われてるぞ!」
「ホラ、この通路は水で埋まっちまったんだ!」
向こうからナミが「水をどうにかして!」と言いながら、ココロばーさんたちと走ってくる。
どうしよう、私は泳げない。
これは完全に死ぬしかないじゃない。
「ナミさんが・・・俺の胸に飛び込んでくるー!」
「ポジティーブ!」
こんな時までバカやれるサンジとウソップに、むしろ感動すらしてくる。
ゾロが壁を斬ろうとするが、鋼鉄で全く歯が立たない。
「じゃあ逃げ場がねぇぞ!」
「「『うわぁああああ』」」」
水が襲いかかってくる瞬間、ゾロが私をギュッと抱きしめてくる。
そして、水が私たちを飲み込んだ瞬間、私はゴボホボボと溺れてしまった。