第3章 友情のために (エニエス・ロビー編)
『はぁ、良かった。』
私は力が抜けて、ぺたりと床に座り込んだ。
めちゃくちゃ怖かった。
凄く痛いし、何より敗けたら彼女にされるし、意味がわからない。
32番目って何なんだよ、多すぎだろ、1人に絞れよ。
顔はカッコいいけど、死ぬほど気持ちが悪かった。
あぁ、早くロビンの元へ行かなきゃ。
私はスッと立ち上がり、レビンの傍に落ちている鍵を拾い上げ倉庫室を出た。
『待って、私は一体どこに行けばいいの。』
右・・・それとも左!?
そもそも、上なの下なの!?
「クレアちゃん!」
私がその場でオロオロしていると、背後から声をかけられる。
声の主はサンジだった。
『サンジ!え、大丈夫なの!?なんか、ツルツルピカピカだったけど!?』
「あぁ、お湯を浴びたら元に戻った。それで、CP9と戦って来たんだが・・・ここにいるってことはクレアちゃんも勝ったんだね。」
私は「うん!」と相槌を打って鍵をサンジに見せた。
「そうか、じゃあロビンちゃんの元へ急ごう!その前に、あのクソマリモと合流しねぇと。」
サンジが走り出したので、私もそのあとに続いて駆け出した。
「そういや、さっきはありがとうな。女性に守られるなんてかっこ悪いんだがな。」
サンジがお礼を言った後、眉を下げてシュンとした。
それを見て私は首を振った。
『違うよ、サンジは海列車で私を助けてくれたんだからおあいこだよ。』
私がそう告げると、サンジは「そうか」と笑った。
「おうマリモ!鍵はどうした!?」
ゾロの元へ着き、サンジが急ブレーキをかける。
私は急すぎて通り越してしまったので、Uターンしてサンジの止まったところに戻った。
「あァ、今貰ったとこだ。」
ゾロが私の方をジッと見る。
「クレア、お前も戦ったのか。」
『当たり前でしょ!』
私は鍵をずいっと出してゾロに見せつける。
「血が出てんぞ。」
『ゾロも出てるよ。』
ゾロは私の言葉を無視して、私の頰に手を当てグイッと血を拭ってくれた。それから、私の持つ鍵とサンジの鍵を見る。
「・・・とにかくこれで鍵は全部集まった!急いでロビンのところ行くぞ!!」
ゾロの言葉で、私たちは走り出した。